こどもパソコンのIchigoJamを手にされたこどもたちが、モールス通信に興味を持ってくれたらいいな、と、そんなことを思いながら書いた記事の第2弾です。
前回は
3行のプログラムで押したら鳴るモールス練習機を作りました。
今回は実際にモールス通信をするまねごとをしてみたいと思います。
(なお、この記事はこどもたちに向けてではなく、親御さんや指導者の方々に向けた記事になっています。)
先ずは、動画をご覧ください。
こっち(送信側)のIchigoJamのボタンを押したら、あっち(受信側)のIchigoJamのLEDが光ってブザーが鳴ります。実験では6.5m離れても反応していました。さらに工夫をすればもっと離れても反応すると思います。
◆ IchigoJamどうしをワイヤで通信 ◆
さて動画のワイヤレスの前に、先ず最初はワイヤ(電線)でIchigoJamどうしをつない通信をしてみましょう。
・プログラム
送信側のIchigoJam:
10 IF !BTN() CONT ELSE BEEP 9,999:LED 1:OUT 2,1
20 IF BTN() CONT ELSE BEEP 0:LED 0:OUT 2,0
30 GOTO 10
受信側のIchigoJam:
10 IF !IN(1) CONT ELSE BEEP 9,999:LED 1
20 IF IN(1) CONT ELSE BEEP 0:LED 0
30 GOTO 10
・接続
IchigoJamどうしを2本のワイヤでつなぎます。
結線
送信側 |
|
受信側 |
OUT2 |
⇔ |
IN1 |
GND |
⇔ |
GND |
送信側
受信側
・実験
準備が出来たら、ふたつのIchigoJamをRUN [ENTER]します。
こっち(送信側)のIchigoJamのボタンを押すと、あっち(受信側)のIchigoJamのLEDが光ってブザー音が鳴るはずです。
長いワイヤがあれば、IchigoJamを離れた場所や、部屋越しに動かして鳴らしてみましょう。
-・・・-
◆ IchigoJamどうしをワイヤレス(無線)で通信 ◆
次に、冒頭の動画の実験です。
「ワイヤレス」とはワイヤ(電線)が無い(レス)という意味で、電線が無い、すなわち、「無線」での通信ということです。
今回はリモコンなどで使われている赤外線を使って無線の実験をしてみます。
・回路の準備
IchigoJamにつなぐ赤外線の送信、受信の回路部品を準備します。
回路図
送信側の発光素子はIRダイオードで赤外線発光ダイオード(LED)です。
受信側の赤外線受信モジュールは、3.3Vで駆動できるタイプで中心周波数は38KHzのものを選びました。
ともに、電子部品のパーツ屋さんで手に入る部品です。
今回は2cm角(7x7孔)のユニバーサル基板で作りました。
送信側 受信側
・IchigoJamに装着
IchigoJamのソケットCN4に差し込みます。
送信側
OUT4~VCC端子に挿入
受信側
GND~IN1端子に挿入
ずれて挿さないようにご注意ください。
・IchigoJamのプログラム
送信側のIchigoJam:
10 IF !BTN() CONT ELSE BEEP 9,999:LED 1
20 PWM 2,421,-1263:WAIT -10:OUT 2,0:WAIT -10
30 IF BTN() GOTO 20
40 BEEP 0:LED 0:GOTO 10
受信側のIchigoJam:
10 IF IN(1) CONT
20 BEEP 13,999:LED 1:C=0
30 IF !IN(1) C=0:WAIT -20:CONT
40 C=C+IN(1):WAIT -10
50 IF C<10 GOTO 30
60 BEEP 0:LED 0:GOTO 10
ここでは長くなるので、プログラムの説明は割愛します。
こちらの記事で説明をしていますので、ご参照ください。
・実験
発光素子と受光素子を向かいあうようにIchigoJamどうしを向い合せます。
二つのIchigoJamをRUN [ENTER]して、送信側のIchigoJamのボタンを押すと、受信側のIchigoJamが光って音が鳴るはずです。
IchigoJamを少し離して試してみましょう。。
発光素子と受光素子が向き合っていると結構届きますが、ずらしたり、斜めを向いたり、あいだに障害物があると届かなくなります。
赤外線という眼には見えない光で通信しているので、光が届いている範囲をイメージするとよいでしょう。
・IchigoJamを持ち運べるようする
さて、どこまで届くのでしょうか? もっと離して実験しましょう。
といっても、実験をするとき、IchigoJamのキーボードやモニターは邪魔ですね。
そういう時は次の手順をすると、モニターやキーボードなしでもIchigoJamが使えます。
1)RUNしていたらEscキーでプログラムを止める
2)SAVE 0[ENTER]と押す。
ここで、こんな画面がでたらOKです。
3)IchigoJamの電源スイッチをOFFにする
4)キーボードとモニターのケーブルを取り外す。
電源ケーブルはそのまま。
5)IchigoJamのボタンを押しながら電源スイッチをONにする。
これで先ほどと同じ状態になります。
プログラムを止めるときは電源をOFFにします。(電池の消耗を防ぐためにも、使わないときはこまめにOFFをすることをおすすめします。)
電源をOFFしても、また5)のようにボタンを押しながら電源をONにすれば再開できます。
電源はモバイルバッテリーを使うとIchigoJamを持ち運びながら実験ができます。
・さて、どこまで届くか?
IchigoJamをボタンを押しながら電源スイッチをONにて自動起動します。
発光素子と受光素子が向かい合うようにIchigoJamを向い合せにして、送信側のボタンを押して実験をしましょう。
受信側が光って鳴るはずです。
動画の実験では、6.5m離しても大丈夫でした。さらに、プログラムを工夫をしたり、回路や受光・発光素子に細工をしたら、もっと遠い距離まで届くようになるでしょう。
チャレンジされてはいかがでしょうか?
なお、今回使用したIchigoJamのファームウェアはVer. 1.3.1です。
最後に、最初と同じ動画をここにも掲載しておきますね。
お詫び:
動画内で、”ICHIGOJAM”とモールス符号で打とうとしたのですが、誤って”ICHIGAJAM"になっていました。お恥ずかしい話ですみません。
-・・・-
次回は、モールス符号を覚えるための学習用プログラムを予定しています。
IchigoJamでモールスの記事の目次を
こちら にまとめましたのでご覧ください。
ここまで読んでいただいて、「IchigoJamってなに?」って方は、
こちらのコラムをご参照ください。
なお、IchigoJamは(株)jig.jpの登録商標です。
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