あるOMさんからの依頼でエレクトロデザイン社のPOCKET KEYER 「PK-4」をプチ改造をしました。何かの参考になればと思い、その改造記を残しておきます。
取説の回路図に「高速キーイングを希望する場合はR2を18Kオームに替えて下さい」とあり、その抵抗定数変更のプチ改造です。
まず、お借りしたPK-4についての印象ですが、要は乾電池駆動の4CHのメモリーキーヤーで、 低消費電力/長電池寿命を実現しています。取説によると「2個の単四電池で数ヶ月間の連続使用を可能に」とのことで、(電池蓋が無くて)ビスを外さないと電池交換できない筐体構造になっています。すごい技ですね。
(イベント途中に電池を交換が要る当局の自作のエレキーとは大違いです。見習わないと。)
電源スイッチをONにしてもLEDは点灯しない(LEDはモードな度確認の目的)、モニター音は圧電ブザーで音量も控え目、(将にモニターのための音に徹している)といった徹底した設計思想に好感が持たれます。
(イベントでのデモ受けするように、大きい音を出したり、LEDを煌々と光らしている当局は反省しないといけませんね。)
いきなり話が脱線してしまいましたが、お預かりしたPK-4の第一印象と、お勉強させていただきました内容です。
さて、本論に戻り改造です。
まずは現状でのキーイングスピードを測定してみます。
左右のビス計4本を外してケースを開けます。電池が見えますね。
基板の赤黒のコネクタは圧電ブザーにつながっているのでその信号を盗んでオシロスコープで波形を見ます。スピード調整のボリュームを最大にして、パドルで連続短点(Dot)を打って、
短点の幅は36.8msとなりました。
昔、難儀して計算をして、WPM=1200÷短点幅[ms]だった記憶しています。(合っていますかぁ??)ということは、現状の最大WPMは1200÷36.8=33WPMということになります。確かに、高速キーイングのOMさんには物足りないスピードですね。
次に、取説の回路図に記されていた「高速キーイングを希望する場合はR2を18Kオームに替えて下さい」を実行します。
そのR2はここです。27KΩが実装されています。
この27KΩを外して18KΩを付ければ良いのですが、ちょっとQRX。基板はスルーホールなので、塞がった半田を取るのがちと難儀です。手動のスッポンもありますし、電動スッポンも使えるので何とかなるのですが、お預かりしたものなので傷めたくないし。
基板の裏側を見たら十分なスペースがあるので、裏面にR2と並列に抵抗をつけて合成抵抗を18KΩにする作戦に。
手元に51KΩと47KΩがあったので試してみて、51KΩを27KΩのR2の裏側に半田付けしました。(検算:(27x51)÷(27+51)=17.65Ω 実際は抵抗の精度±5%を使用したのでそれほど程神経質になることもないのですが)
おまじないとして51KΩをポリイミドテープで挟むようにテーピング(空間が十分あるので本来不要なのです)しました。
改造後、最大スピードの短点時間をオシロスコープで測ると25.6ms。換算すると47WPM位に高速になりました。
以上、どなたかなにかの参考になれば幸いです。
OMさんに改造品を返送したところ、「早速試したところ良い感じでした。」とのメッセージをいただきました。ご満足いただいたご様子で良かったです。メーカー製の希少な商品に触れる機会をいただきありがとうございました。
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